本単元では,物語のハイライト場面を見付け,そこで起きている出来事から分かる強調点や変化の意味を考えるという資質・能力をはぐくむことを目指しました。そのために,前後の叙述と関係付けて父の言動の意味を考える活動が繰り返される単元構成にしました。
本時では,「一つだけ」「花」という物語の鍵となる言葉に着目し,父が娘に花をあげることの目的を前後の場面と関係付けて読むという「見方・考え方」を働かせた学習活動を展開しました。娘に願いを込めて渡したということを読み取った子どもたちに「花に込めた父の願いは叶ったか」と投げかけました。前時までに読んだ「大きくなってどんな子に育つだろう」という父の不安と,願いを込めて花を渡したという本時の読みがつながったとき,エピローグが父の願いが実現した場面だと気付きました。
授業の終末の省察場面では,「父の願いは戦争によって失った喜びや楽しさを与えること」といったエピローグと関係付けて父の願いを考える子どもの姿が見られました。
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