「自分は友達だと思っていても相手は同じように思っているのか不安」に思っている人がいるというアンケート結果からスタートした授業でした。登場人物デモンの言動の矛盾に着目することで,他者との多様な考え方や感じ方にふれる場面が生まれ,【友情・信頼】の道徳的価値の理解を深め,自己の生き方を見つめ直し,よりよい生き方を目指していこうとする「資質・能力」を子ども自身が自覚していく授業構成としました。
授業の終末では「同じ強さで信じ合える,見つめ合える関係」が「本当の友達」であると意味付けた子どもたちでした。友情が一方向では成立しないという気付きが,相手を慮る心の力が同じ強さとなって信頼し合うことで真の友情を支えるという「見方・考え方」に通じていきました。「どんなことがあっても裏切らないで信じることが本当の友達。今の私にはまだこれが尊いこととしか思えないけれど,いつかそんな大人になりたい」と綴った子どもの姿がありました。
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